転職支援の仕事をしていると、転職活動がうまくいく人、そうでない人、いろんなケースに出会います。
こういう人は必ず転職できる、という解はないのですが、反対にこういう人は転職できないんだろうな、という人の共通点はあります。
もちろん、未来永劫絶対に転職できないなんて断言はできませんが、当面の間は難しいんだろうな、と思う人が多くいます。
もしあなたがすぐに転職は考えていないのであれば気にする必要はないと思いますが、少しでも早く(目安として半年以内ぐらい)転職したいと考えているのであれば、ぜひ読んでください。
キーワードは「行動しないこと」です。
なお、下記の本は参考になります。併せて読んでみてください。
★CONTENTS★
転職活動が進まない人の特徴1 答えのない自己分析を続ける人
就職活動をするときに「自己分析をしっかりやりなさい」と言われてきたせいか、転職活動においてもこの「自己分析」のフェーズから抜け出せない方が多くいらっしゃいます。
もちろん、転職活動において自己分析をすることは有益です。応募先の検討や面接において「自分がどういう思考をしているのか」「今後どういう人生を作りたいのか」ということを言語化しておくことは大切ですからね。
問題なのは「正解があることを前提とした」自己分析です。私はこういう人間であるという言葉が浮かぶまで自己分析をやり続けると、いつまで経っても転職を実現するには至りません。
なぜこれが問題なのかというと「人間が変わる存在であること」という前提が抜け落ちているからです。
今思っていること、今描いている理想、は変わります。だからこそ今、一度はいいと思って入った会社から転職をしたいと思っているんですよね?
自己分析をして導き出した答えが、1社面接に行って聞いた話によって一気に吹き飛ぶ、なんてことはよくある話です。面接では具体的な話が聞けますからね。
自分の頭の中だけで考え続けるよりも、行動を起こして転職市場に出てみる方が何倍もいい転職を実現する可能性を高めることができます。
もし自己分析をしたいなら「中長期的に」「普段から」
とはいえ、自己分析をしっかりやっておきたいという人には、中長期的に自分に向き合うことをお勧めします。転職しようと思ってから時間をかけてやるというのではなく、普段から自分の思考に向き合うということです。
例えば、ビジネスエリートへのキャリア戦略 [ 渡辺 秀和 ]では、以下のような記載があります。
それでも「自分が何を好きなのか、あまりよくわからない……」という方も少なくないと思います。
時間はかかるのですが、そのような方には、記録(日記)をつけることをお勧めしています。自分がどのようなことを楽しいと感じ、何を嫌だと感じたのか、何に憤りを感じ、どんな人を助けたいと思ったのか日々記録をつけていくことは、自分の「好き/嫌い」を知るうえでたいへん有効です。
付焼刃的に行う自己分析より、日々の蓄積のほうが現実感のある情報が蓄積されるでしょう。
ちなみに私も日記をつけています。正確に言うと、一定期間つけて辞めてまた一定期間つけてを繰り返しています(笑)。
折に触れて読み返すと、大変参考になります。「あの時期はこれがストレスだったな。でも今はこの点にはストレスを感じない、ということは慣れが必要だっただけか」など。
日記以外では、下記の記事を参考にしてみてください。不安定な未来ではなく安定した過去に向き合う方法です。
いずれにしても、正解のない自己分析にはまって行動しなくなることは避けましょうね。
転職が進まない人の特徴2 「じっくり考える」を応募前にする人
転職活動において「じっくり考える」のは大切なことです。安直な転職は次の安直な転職を生みますので、軽率な意思決定は避けたほうがよいでしょう。
一方でこの「じっくり考える」というのが、タイミングを間違えると自分の転職活動を停滞させる原因にもなるので注意が必要です。
応募前に「じっくり考える」をするデメリットは下記の3つです。
- 選考のチャンスを逃す可能性が高まる
- 自分の意思決定力が向上しない
- 転職活動が進まなくなる
デメリット1 選考のチャンスを逃す可能性が高まる
スタートとゴールの時期が決まっている就職活動と違って、転職市場(=中途採用)では求人がオープンしている時期が決まっていません。
まれに募集開始から応募締切を明示した選考をする企業もありますが、あくまで少数派です。
一般的には、「採用が必要になったら世の中に出て、充足したら閉じる」というプロセスが繰り返されています。
つまり、今気になるなとかいいなとか思っている求人が、「じっくり考えて」応募しようと思ったときにオープンしている保証は一切ない、ということです。
極端な話、応募した日には最終面接合格の方がいて、翌日には充足によりクローズなんてことだってあります。
また、求人がオープンした瞬間から、当然あなた以外の人もその求人を見て「いいな」と思っているわけです。応募をした時点であなたは相対比較の中に入ることになります。
このことからも、応募するというアクションはできるだけ早いタイミングで行った方がよいです。
求人がオープンした瞬間に応募が来ると、志望度高いのかな?と思ってもらえることもありますし、反対に書類選考を数多くしていると企業側も目が肥えてきます。
ケースによっては「今の時点で来ている応募の中から決める=新規の応募はよほど欲しいターゲットでない限り見ない」という判断を下す可能性も高くなります。
あなたが応募前にじっくり考えている間に、選考を受けるチャンスを逃しているという事象が裏側で起こっているわけです。
気になる求人があるならば、まずは速やかに応募のアクションを起こしましょう。
デメリット2 自分の意思決定力が向上しない
これは「じっくり考える」の中身にもよります。
「じっくり考えること」が明確になっている場合は、その答えが自分の中でクリアになってから動き始めるのでよいと思います。
「クリアになっている」とは、自分が動き出すために必要となる答えが明確になっている状態のことです。
例えば、●●という条件の求人があった場合は応募を開始する/●月まで待って異動の通知が来なかったら応募を開始する/●●という気持ちに折り合いが付いたら応募を開始する、などです。
何がどうだったら応募を開始するかを言語化できていて、それらの条件が満足するか「じっくり考える」であれば問題ないのですが、これが言語化できていないケースが大変多いです。
考える事柄が決まっていないのに、考えるといって止まっている限り、自分で自分のことを決める力=意思決定力が向上しません。
応募をすればあなたは情報を得られます。この業界/この規模の企業には書類が通らないな、面接でこんなことを聞いてこういうキャリアもいいなと思った、求人票では分からなかったけどあんな雰囲気の会社で働けたら最高だな、など。
それらの情報を自分のなかで糧にすることにより、意思決定をする力が向上します。
どんなに悩んでも迷っても最終的に入社できるのは1社です。
相対比較できる情報・経験を複数持っていることで、本当にここに決めてよいかと決断を迫られたとき、納得感をもってYES/NOの判断をつけることができるようになるわけです。
考えるべきことが明確になっていないのなら、まずは動き出した方がよいでしょう。
デメリット3 転職活動が進まなくなる
これは言うまでもないことですが、応募をしない限り自分の転職活動が進むことはありません。
ビジネスエリートへのキャリア戦略 [ 渡辺 秀和 ]の下記の記述は大変参考になります。
もちろん、じっくりと自分の進む方向を模索すること自体を否定するつもりはありません。むしろ人生の方向性を考えることは極めて重要なことです。しかし、いつまでも考え込んでいていいということはありません。「せっかくいい大学に合格し、有名企業に入ったのだから失敗したくない」という気持ちはわかりますが、いつまでも進む方向を決めずに一歩を踏み出さないでいることは、それ自体が大きなリスクとなっていることを知っておく必要があります。年齢を重ねれば重ねるほどポテンシャルで採用してくれる企業が減り、選択肢が減っていきます。
また、自分が動かない間に、ライバルがその道で日々経験を積み、成長しているのです。ライバルたちに何年間も遅れてからその道に入っても成功するのは難しいでしょう。一見すると動かないことでリスクを回避しているように見えますが、時間が経つことで別のキャリアリスクが高まっているということを常に意識しましょう。
動かないと、自分の転職市場での見られ方を客観視するための情報が得られないので、その意味でも転職活動が前に進みません。
じっくり考えた結果、市場での見られ方も想定通りであればよいのですが、そのようなケースは極めて0に近いです。
まずは動いて、客観的な情報を得ることから始めましょう。
「じっくり考える」のは面接期間中に
応募前にじっくり考えるとデメリットが大きいということを書きましたが、じゃあいつじっくり考えるんだ、という質問が浮かびますよね。じっくり考えること自体は必要なプロセスなのですから当然です。
私の答えは、面接に行っている期間に考えましょう、というものです。
ここまで何度も記載しましたが、面接に行くと五感で色んな情報を得ることができます。
これらの情報に触れたとき、自分がどう感じたのか、現在の仕事と比較してどう思うのか、というのをメモしておきましょう。
これらの情報を面接期間中にいくつも蓄積しておくことにより、自分の意思決定を納得感あるものにしていくことができるのです。
転職活動をした結果、いくつかの企業からのオファーを断って現職に残留すると判断する人もいます。
「転職活動をすること」と「転職をすること」は同義ではありません。
転職活動をしてみて納得感ある転職先からオファーが出れば転職をすればよいですし、現職がよいと気が付き残った方がよいと感じるのであれば残留すればよいのです。
仮に転職をしなかったとしても、意思をもって「残る」と判断した方は何もしないでモヤモヤした状態の頃よりも、きっと前向きに仕事ができるでしょう。
これは、転職活動をしたからこそ得られる最大のメリットです。
応募前にじっくりではなく、面接期間中にじっくり考えることで、自分のキャリアに納得感を持たせましょう。
転職が進まない人の特徴3 自分で決めることから逃げる人
この項目は、転職活動においてのみならず、キャリアを形成していくにあたってどのフェーズでも必要になるスキルであると、私は考えています。
自分で決める力、です。
以前「理由ときっかけの違い」について記事を書きましたので、よろしければ参考にしてみてください。
自分で決めることから逃げてしまう人が、転職を実現できる可能性は低いです。そして仮に転職できたとしても、また転職したくなる、という可能性が高いです。
では、自分で決めることから逃げている状態とはどういう状態か、考えてみます。
例えばですが、オファーを断る理由を「奥さんがダメって言うので」など、他人起点で答えるケースが分かりやすいです。
奥さんがダメって言うのは事実としてあるでしょうし、それを説得しきれなかったということだって現実にはあります。
私は、このケースで奥さんを説得できなかったこと自体が問題と言いたいわけではないです。
断る理由を「奥さんがダメって言うので」としている点に問題意識を感じます。
事実がそうであったとしても、最終的な意思決定は自分がするものです。
同じ断るという結論であっても、「自分はオファーを受けたいと思ったが、妻を説得できなかった。妻の言い分も理解できるし、私も家族の一員であり合意がない状態での意思決定はできない、と自分が判断したので断ります。」とか「自分の理想とする人生に良い家族の形成というものがあり、今はそれを優先したいと判断したので断ります」というように、あくまで「自分が決めたこと」であるということを認識しておいて欲しいわけです。
自分のことを自分で決めているという認識が欠けることは、無意識のうちに自分のキャリアにおけるオーナーシップ(主導権)を損なう原因にもなります。
他人が固めるキャリアに縛られると、キャリアはハッピーになりません。
結論がどうであれ、最終的に自分が決めたと思える意思決定をしてください。
そのために、自分がしたい意思決定ができるように最大限努力しましょう。
まとめ
転職できない人の特徴をまとめてきました。いかがでしょうか。
復習すると大きく3つです。
自己分析そのものに固定した「正解」はありません。答えを求めて長々とやることは避けましょう。
「じっくり考える」項目がはっきりしていないのなら、まずは行動しましょう。「じっくり考える」のは面接期間中にやりましょう。
事実がどうであれ最後に決めるのは自分です。何事も自分が決めているということを認識しましょう。 |
もしあなたが近いうちに(目安半年以内くらい)転職をしたいと願うのであれば、上記3つの状態に陥らないよう、気を付けてみてください。
それらと反対の行動をすれば、最終的な結論がどうであれ(仮に現職残留であったとしても)、きっと転職活動はよいものになります。




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